--- 2025-12-29_国産SNS構想の思考実験ログ.md --- # 国産SNS構想に関する思考実験のまとめ **日付:** 2025年12月29日 ## 1. 発端 PCのハングアップにより過去のログが消失した状態から、日本の情報インフラを海外の一企業(Twitter/X)に依存することの危険性についての議論を再開。具体的な代替案の「青写真」は存在するのか?という問いから思考実験がスタートした。 ## 2. 現状の代替案候補 調査の結果、以下の2つのアプローチが浮上した。 - **トップダウン型(企業主導)**: 前澤友作氏が構想する、強力なリーダーシップと資本による新SNSプロジェクト。 - **ボトムアップ型(コミュニティ主導)**: 日本で開発された「Misskey」や「Mastodon」など、分散型(フェデレーション)技術を基盤としたSNS。 ## 3. 思考実験による設計ブループリント 議論を通じて、ボトムアップ型をベースとした以下の多層的な社会インフラモデルが構築された。 ### A. 技術レイヤー:フェデレーション - **基盤技術**: MastodonやMisskeyなどが採用する「フェディバース(連合)」の仕組みを利用。 - **役割**: 各コミュニティ(サーバー)間の技術的な相互接続を担う。「わかっている人」は自力でこの世界に参加可能。 ### B. 社会レイヤー:人的サポート網の構築 - **最大の課題**: ITに不慣れなユーザー(お年寄りなど)の「安心」と「安全」をいかにして確保するか。 - **初期導入**: 「町内会」など、既存のリアルな信頼関係を基盤とした紹介制度により、最初の参加のハードルを下げる。 - **継続サポート**: - **役割**: 「デジタル相談員」という役割を創設。利用者の「写真の投稿方法がわからない」といった日常的な疑問から、「不審なメッセージが来た」といったトラブルまで対応する。 - **身分**: 単なるボランティアではなく、「准公務員」や「パートタイム公務員」のような形で雇用し、対価と専門研修を提供する。 - **支援体制**: 相談員を支えるための上位の「ヘルプセンター」や、相談員同士の「互助会」も組織する。このセーフティネットは、実際に使われるか否かに関わらず、存在自体が「安心」感の醸成に繋がる。 ### C. 運営・財源レイヤー:半官半民モデル - **コンセプト**: NHKや旧郵便局のような「半官半民」のハイブリッドモデル。 - **財源**: - **初期**: 国や自治体の税金を利用して、公共インフラとしての土台を構築する。 - **中長期**: 民間からの出資も受け入れ、サービスの成長と革新を目指す。 - **目標**: 「出資者の利益」と、誰もがアクセスできる「情報格差の是正」という2つの目標の両立を目指す。 ## 4. 結論としての「最初の一歩」 この壮大なブループリントを実現するための現実的な最初の一歩として、以下が提案された。 - **提案**: この思考実験のログ(ブループリント)そのものを、MITライセンスのようなオープンなライセンスでインターネット上に公開する。 - **目的**: 直接行動を起こすのではなく、同じ問題意識を持つ誰かがこのアイディアを「キャッチアップ」し、次のアクションに繋げてくれるのを待つ。これは、未来への希望を託す、穏やかで開かれたアプローチである。 --- 2026-01-06_ご近所SNS構想具体化ログ.md --- ### 「ご近所SNS」構想の具体化に関する検討ログ **日付:** 2026年1月6日 #### 1. 事業化への第一歩:「ご近所SNS」モデルの採択 - **課題:** 以前の「国産SNS構想」は壮大であり、事業として始めるには具体的な「最初の一歩」の物語が必要。 - **方針:** まずは単一の町内会など、小規模なコミュニティを対象とした「ご近所SNS」を立ち上げ、運用を成功させる。その成功モデルをパッケージ化し、他の地域でも展開できるようにする。将来的には、各地の「ご近所SNS」をフェディバース(連合)技術で相互に接続し、より大きなネットワークを形成することを目指す。 #### 2. 中核となる原則:サポート体制の専門職化 - **課題:** サービスの持続可能性と信頼性を確保する必要がある。 - **方針:** ITに不慣れな利用者へのサポートは、ボランティアの善意に依存するのではなく、対価を支払う「デジタル相談員」のような専門職として確立する。これにより、サポートの質を担保し、利用者が気兼ねなく助けを求められる関係を築く。これは事業の根幹をなす重要な柱である。 #### 3. ユーザー登録とドメイン管理:階層的アドレスシステムの導入 - **課題:** サービス拡大時に起こりうる、同一地域内での複数SNSの乱立や、ドメイン名の取り合いを防ぐ必要がある。 - **方針:** 同窓会サイトやYahoo!ディレクトリ検索の仕組みを参考に、物理的な行政区分に基づいた階層的な登録システムを導入する。 - **例:** `神奈川県:横浜市:南区:弘明寺町` - これにより、利用者は自身が参加すべきコミュニティを直感的に判断でき、秩序だった拡大が可能になる。 #### 4. 技術基盤の選定:Misskeyの採用 - **課題:** 「誰でも始められる」というコンセプトを実現するため、低スペックな中古PCなどでも運用可能な、軽量なソフトウェアを選定する必要がある。 - **方針:** - 当初はMisskeyやMastodonなど複数の選択肢を許容する案もあったが、導入マニュアルの整備やサポートの簡便さを考慮し、単一のプラットフォームに標準化する。 - 比較検討の結果、小規模なサーバー環境において、よりリソース消費が少ない傾向にある**Misskey**を推奨プラットフォームとして選定する。 #### 5. 今後の展望:専門知識の活用 - Misskeyを選定したことにより、misskey.ioの管理者である村上氏など、既存のコミュニティで活躍する専門家から運用上の知見や助力を得られる可能性が生まれた。これは、実践的な運用マニュアルを作成し、サービスの信頼性を高める上で非常に価値のある機会となる。 --- 2026-01-06_ご近所SNS構想追加検討ログ.md --- ### 「ご近所SNS」構想の追加検討ログ **日付:** 2026年1月6日 #### 1. サーバー負荷の最大値に関する考察 事業のスケールを見積もるため、単一サーバーが対応すべき最大人口について検討した。 ##### A. 住民人口ベースの考察 - **調査:** 日本で最も人口の多い「町」は広島県安芸郡府中町で、人口は約5万2000人。 - **結論:** これを住民ベースのコミュニティにおける、サーバー負荷の最大目安とする。 ##### B. 昼間人口ベースの考察 - **洞察:** 利用者は居住地ではなく、勤務地を基準にコミュニティに参加する可能性も考慮すべき。 - **調査:** 「町」単位での正確な昼間人口データは見つけられなかったが、東京都心の港区、千代田区、中央区などが昼間人口の集中するエリアとして挙げられる。 - **結論:** 丸の内や日本橋のようなオフィス街にサーバーを設置する場合、夜間は静かだが、平日の日中に極端に負荷が集中するモデルを想定する必要がある。 #### 2. 市場調査と新たな課題 ##### A. 既存の類似サービス - **発見:** 「ご近所SNS」という概念は既に存在し、日本でも過去に「マチマチ」というサービスが提供されていた(現在はサービス終了)。 - **今後のアクション:** 「マチマチ」のサービス終了理由を調査することで、事業リスクを回避するための教訓が得られる可能性がある。 ##### B. 新たな課題:本人確認 - **問題提起:** 利用者が本当にそのコミュニティ(町内)の住民または関係者であることを、どうやって確認するか。 - **初期評価:** - 本人確認の責任を各サーバー管理者に一任するのは、負担とリスクが大きい。 - 分散型SNSであるMisskeyに、信頼性の高い本人確認システムを後から組み込むのは、技術的な難易度が高い可能性がある。 - **決定:** 本件は重要だが複雑な問題であるため、一旦**保留**とし、将来的に改めて検討する。